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材料市況速報

金属市況NewS vol.29

心配されていたイタリアがIMFの監視下に入ったことが引き金となりイタリア現内閣の退陣要求が強まる。イタリア国債がユーロ発足以来の最安値を更新し、予算承認採決を8日に控え再び投資リスクが高まりメタル市場は売り優勢の展開となった。くすぶり続ける欧州問題でユーロ安ドル高が進んでいることもメタルを圧迫す。

アルミ新塊前週末比12.5ドル安の2118ドルアルミアロイ、10ドル安の2100ドルカッパー154.5ドル安の7775.5ドル鉛46ドル安の1976ドルニッケル125ドル高の18,610ドルスズ170ドル安の21,905ドルジンク38.5ドル安の 1912ドル

アルミと亜鉛は生産コスト割れに近いところまで下がっているので、これ以上の大きな下げはないだろう、とバークレイズキャピタルのアナリストGayle Berry氏は指摘。逆にいまだ生産コストの2倍超の相場で推移しているカッパーは売られやすいポジション。

中国の鉄鉱石購入抑制策に起因し、バルチック海運指数※1(ロンドンのバルチック海運取引所が発表する外航不定期船の運賃指数)は続落。前週比18ptダウンの1766pt。ここ7週間で最も低い。前年同期比では30%のダウン。62%Feの鉄鉱石価格は9月7日、トン181ドルをつけたが現在は120ドルまで下落。呼応して鉄スクラップも世界的に下落。 スクラップはトン2万円近辺まで下落するとみる。中国の9月の鉄鉱石輸入は6057万トンで年初来最多だが、これまでの買い過ぎと鉄鋼需要の減少で足元は極端に購入量が落ちていることがバルチック海運指数にも影響している。

NYMEX原油、続伸。前日比1.26ドル高の95.52ドル。イタリア国債の最安値更新、ギリシャ、イタリアの政局混迷ななかだが、テクニカル面の強さから原油は続伸。
Nycomex金銀は急反発。イタリア国債の最安値更新をはやし、安全逃避の買いが炸裂。金は前週末比35ドル高の1791.1ドル、銀は0.74ドル高の34.828ドル。

7日の米株は反発。前週末比8515ドル高の1万2068.39ドル。欧州投資銀行(EIB)が条件付きながら域内金融機関への追加融資が可能とする報告書をまとめ、欧州債務危機の克服に向けた対策が一歩前進との期待感から銀行株などが買われた。前半はイタリア問題で売り優勢だったが巻き返した。

※1 バルチック海運指数=バルチック海運指数は、一般に世界経済や商品価格の先行指標とされており、その変動要因としては、海上の 荷動き量の他に、主要港湾における船舶の沖待ち増加を受けた滞船、荷役(積み下ろし)のためのインフラの過不足や混雑状況、モンスーンやハリケーン等の気象条件の影響などが挙げられる。また、本指数は、外航海運市場だけでなく、株式市場でも注目されており、実際に海運会社の業績の先行きを判断する材料にもなるため、特に不定期船を主力とする会社(海運株)の株価は同指数に連動しやすい傾向にある。

 

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